イーハトーヴォ物語 | HEC-30001 | |
多和田吏/ヘクト | 1995.5.16 | |
スーパーファミコンで発売された同名のゲームで使われた音源、および更に音数を多くしたアレンジバージョンが収められている。 叙情的でクラシカルな味わい。 |
賢治を探しに、7つの手帳を集めながら、宮沢賢治の残した7つの物語の中を歩く、というゲームがスーパーファミコンででました。私はこのソフトのためにスーパーファミコンを買ったのです。当時賢治ブームで、映像作品もたくさん作られていましたから、そう期待していたわけでもなかったのですが、実際このソフトは将棋や碁のソフトのように長い間中古市場でも値が下がらず、賢治ファンの間でも一定の評価を得ることができました。
このソフトが受け入られて一番の要因、それは音楽がオーケストラ調であったことでしょう。スーパーファミコンは当時競合するゲーム機の中で唯一、PCM音源を内蔵しており、ただ1つオーケストラサウンドを奏でることができるゲームマシンでした。
しかし、オーケストラ曲をスーパーファミコンで演奏させることは、楽曲への知識はもちろん、ハード的なコンポーザーとしての腕も問われることとなり、そう容易なことではないことは充分想像がつきます。あの天才コンポーザー、古代裕三の「アクトレイザー」は見事にオーケストラを奏で、山下章をして「ROMチップの中にオーケストラがいる」と言わしめたのですが、この「イーハトーヴォ物語」の中にも小楽隊くらい入っていそうです。
CDでは音色数が多くなっており、より作者のイメージに近い音になっているようです。アレンジにより原曲のよさがズタズタにされる悲しい経験は、ゲームミュージック愛好者ならば誰でも持っていることと思いますが、その点このCDは素晴らしいアレンジに加え、オリジナルバージョンもしっかり収録されていますので、文句無しの内容です。
只者ではない、と思っていたのですが、ドラクエ7の音楽もこの人がやったそうで。クレジットでは従来どおりすぎやまこういちさんの名前が書かれているので、2人体制になっているのでしょうか?ゲームの方は発売日が伸びてしまい、まだ音を聴けてないのですが。そうと分かっていればゲームショーでしっかり聴いておくべきだった!
イーハトーヴォ物語 | 多和田吏 | ||
Tr | 曲名 | Time | 備考 |
1 | イーハトーヴォ賛歌 | 3:29 | オープニングより |
2 | 街 | 3:43 | 「イーハトーヴォの街」より |
3 | カエルの親分1 | 1:40 | 「カイロ団長」より |
4 | 少年の日 | 2:40 | 「虔十公園林」より |
5 | 海を見つめて | 5:40 | 「グスコーブドリの伝記」より |
6 | 旅の日記 | 2:48 | セーブ画面より |
7 | ある商人の一日 | 2:43 | 「オツベルと象」より |
8 | カエルの親分2 | 1:25 | 「カイロ団長」より |
9 | 音楽祭 | 1:49 | 「セロ弾きのゴーシュ」より |
10 | 雪景色 | 4:38 | 「雪渡り」より |
11 | 時空を超えて 〜回想 | 4:06 | エンディング 「銀河鉄道の夜」より |
12 | オリジナル・サウンドトラック | 22:16 | |