三瓶町の秘密基地 第二回 |
町内の隠れスポットに突撃取材!
いったい、誰が、何のために?といった変スポットから居心地のいい秘密の楽園まで、みんなの知らない素敵な場所を紹介。
気分は「かわぐちーひろしがー どーくつへはいるー♪」なんだが、実際はそこまで大層なものではない。三瓶だし。
おじいちゃんたちの楽園!
潮彩館に買い物に行くたびに気になる、ブルーシートの小さな手作りテント。
豚のロディオ柵のすぐ近くにあるそのテントには、必ず誰かがいる。少ない時でも2〜3人、多い時にはテントからはみ出ておじいちゃんたちが集まっているのだ。
あそこにはおじいちゃんたちを魅了する何かがある…そう感じた編集部員・宇都宮は思い切ってその怪しげなテントを訪ねてみた。その日は3人の人影が見えた。
なんだか知らんが、すごいオーラが出ている(気がする)。
「あのぅ…写真撮らせてもらってもいいですかね?」
おそるおそる声を掛けたおじいちゃんを見て驚愕!社会の窓全開である。
「おぅ!なんぞ!?なんぞの新聞か!?ワシの金○は撮るなゃ!ウヒャヒャヒャ!」
…金○撮りませんから…。
「ここは皆さんが作った場所なんですか?」
「おぅ、そうでぇ。ここはええぞ。涼しゅうて、集まって将棋でもして。三瓶の年寄りはまだまだ若いもんの世話にはならんぞ、いう集まりじゃ!」
「そじゃそじゃ。多い時は10人以上来る。これな、自悠くらぶいうて。この裏見てみ。浜辺のシニア健康増進所じゃ。」
「まぁ、おねぇちゃん。立ち話もアレじゃけぇ、応接間に座んなはいや。」
古い応接セットのソファーが「応接間」らしい…です…はぃ。
確かに腰を下ろすと海からの風が心地よくて、これはクーラーに当たるより健康によさそうだ。
「応接間」に座ると完全じいちゃんペースに巻き込まれ、
取材に来たはずの私が質問攻めに。
どこに住んどるんか?どこの孫じゃ?じーちゃんの名前はなんじゃ?とーちゃんの名前はなんじゃ?あんた、三瓶の人じゃなかろう。どこから来たんじゃ?福岡!福岡いうたら中州じゃのぅ、私も若い頃行ってスナックの姉ちゃんとー…。
さらばプライバシー。さらば個人情報保護法。
三瓶では当たり前なので慣れたもんだが。
どうしても最後に気になる事があり、ついに勇気を出して質問してみた。
「ここって。もしかして市の許可とか………。」
「とっとらん!!」
やはり無法地帯であった。
「やけどのー。そりゃ祭り(奥地の海のかーにばる)ン時はテントたたむしの、秋までじゃが。冬は寒ぅておれんし、撤去します言うとるで。」
…あまりこの事には触れまい…。
ブルーシートはためく浜辺のシニア健康増進所『自悠くらぶ』は、おじいちゃんたちを健康にする三瓶の景色と風と、そして笑い声に溢れていた。
三瓶町の秘密基地 シリーズ
- 【vol.1】隠れた花の名所「あらパークのかくれ公園」
- 【vol.2】おじいちゃんたちの楽園!「自悠くらぶ」