三瓶の秋祭り |
五ツ鹿(客)編
明治四年(1871)、締役片山想之丞が吉田の細工店より鹿の面、猿の面、太鼓などを注文。踊りを宇和小原から習ったころより三瓶の五ツ鹿は始まる。
(三瓶町誌より)
バイパスを歩いていると、どこからか
タンタン・・・タン
と太鼓の音が聞こえてきました。
五ツ鹿です。
すぐにはどこから聞こえてきたのか分かりませんでしたが、どうやら民家の向かいにあるみかん倉庫で練習しているようでした。
タンタン・・・タン
と太鼓の音が聞こえてきました。
五ツ鹿です。
すぐにはどこから聞こえてきたのか分かりませんでしたが、どうやら民家の向かいにあるみかん倉庫で練習しているようでした。
道路からは奥まった場所にあり、民家の前を通るのでちょっと緊張です。
家の前には白い犬を連れた人がいました。
ぺこり。
ととりあえずは黙って頭を下げて、練習場所に近寄って見ます。
コンテナ
三瓶でコンテナといえばみかんを詰める黄色いコンテナを指す。祭りの練習時には、椅子として使われ、練習が終わりビールがでてくるとテーブルになる万能箱だ。
中には子供が4〜5人、大人も混じって太鼓を腹にくくりつけ踊りの練習をしていました。
五ツ鹿の町内会長を今年している梶原直(27)さんにお話を聞きました。
-五ツ鹿歴は何年になりますか?
「子供の時からずっとやから・・・10歳の時からとして17年です」
-ずっとですか!途切れなく!?甚句では考えられない・・・ 昔と比べて現在の五ツ鹿は何か変化ありますか?踊り方とか
「ずっと一緒ですね、変わってないです」
-五ツ鹿の見所を教えてください
「飛び交うところですね」
年齢層の高い五ツ鹿では皆、背が高いうえに頭の上に鹿の面を乗せ、人間よりずっと大きくなります。一瞬を捉えると時としてコミカルですが、背の高い鹿が跳ねて交差する様など、大変迫力があり、鹿という神獣の持つ神秘性を感じさせます。
-やっている人にしか分からないことってありますか?
「いや〜やっぱり、暑いところですね」
(みかん倉庫の中に入っただけでも汗をかくほど熱気に包まれているのが分かります。祭りの日となると日中に面をつけて踊るんで相当なもんだろなぁ)
「途中で交代します。午前と午後で」
-そんなに長時間踊るんですか!もっとこまめな交代を想像してました。
今まで暑さで倒れた人はいないということ。それだけ練習から体力をつけて祭りに臨んでいるんですね。
◇ ◇ ◇ ◇
五ツ鹿のお宿を提供している片山恭二さん(57:会社員)にも話を聞かせてもらいました。
この方は最初に五ツ鹿を持ち込んだ締役片山想之丞さんのひい孫にあたります。
最初に会ったこの家の白い犬を連れた方でもありました。
この方は最初に五ツ鹿を持ち込んだ締役片山想之丞さんのひい孫にあたります。
最初に会ったこの家の白い犬を連れた方でもありました。
「私の五ツ鹿歴?そら、ずっとこの場所(片山さんの家)で練習しとるから・・・。」
-甚句はお宿が2軒で交代制です、2区は公民館だそうですが、客の五ツ鹿は毎年こちらで練習されてるんですか!毎年大変ですね。
「そうなんですよ(苦笑)大変。」
-昔の五ツ鹿と何か変化はありますか?
「まぁ、昔は子供だけで踊っとったのが、今は大人が入ってることが変わってることです」
-五ツ鹿の見所を教えてください
「唄がええですよ、哀愁があって」
歌詞にどんな意味があるのか、興味津々です。あの低い節回しと、鹿の踊りとあいなって、実際に聞いてみるとなんともいえない物悲しさがあります。どんなストーリーがあるのか、想像しながら踊りを見るのもひとつの楽しみかもしれません。
-五ツ鹿の秘密を教えてください。
「ちょっと待ってな」
と、納屋に入っていってしばらくして持ってきたのが、角がはずれた鹿の面でした。
「こうやって分解して保存してます。この面は昔からずっと、同じものを使ってます。」
「こっちが猿の面。これは何年か前に高校の美術の先生に作ってもらいました。」
なんと!リアルな猿面で見るものをひきつけるリニューアルされた猿のお面が高校の先生によるものだとは!
お猿の役をするのは小学校2年生です。
3・4年生の子も練習していますが、なんと2年間の間は祭りで踊らないというのが驚きでした。
それだけ下積みの期間を経て、一人前の鹿として踊っていたのですね。 おもっさまミカメジャーナルでは、祭り前の練習風景を取材しています。
五ツ鹿(浜)、唐獅子、甚句、牛鬼、四つ太鼓も特集していきますのでお楽しみに!
また、お祭り当日のレポートなど是非編集部までお送りください!三瓶地区だけでなく、蔵貫地区のお祭りも同時募集中です。
特集リンク
- 五ツ鹿(客)回れ回れ水車
- 唐獅子(岡市)ヤーヤー!
- 相撲甚句(屋敷・鍛冶屋) あ〜どすこい、どすこい
- 牛鬼 お家繁盛
参考リンク
文化愛媛58号より 「回れ回れ 水車・・・」