あまりに長くなったので(写真が多くて)、3回に分けた特集「四ツ太鼓を追いました」最終回です。
15日・後編は、本祭お練りから大街道鉢合わせの様子を中心にお伝えします。
とーこーとん!とーこーとん!せーっせ!
とーこーとん!とーこーとん!せーっせ!
お上がりが始まりました。これから1区の朴(ほおのき)にある御仮屋まで練り歩きます。
おっと、早くも四ツ太鼓と大牛の激しい鉢合わせが!
毎年お上がりでも鉢合わせはありますが、今年は特に長い時間盛り上がっていました!
三瓶病院前では四ツ太鼓同士の鉢合わせもありました。
舁き手(かきて)はきつそうだけど、乗り子さんは笑顔。
午後11時過ぎ、1区・朴(ほおのき)にある御仮屋に到着。これから神事奉納がありますが、四ツ太鼓の皆さんは1区公民館に移動して、お昼ご飯と休憩です。
乗り子の洸哉くんもママと一緒にお昼ご飯です。朝5時から色々と忙しい青年団の皆さんも、お世話の合間をぬって一息。
そして秋の晴天を満喫する、フリーダムな人たち。
午後1時。お下がりが出発します。
お下がりは牛鬼とぶつかる事もなく平和(?)なんですが、担ぎ手さんたちは度々重い四ツ太鼓を上げなければいけないので、めちゃくちゃしんどそうです。
しかももう、酔ってるし。
乗り子のお母さん方も、ビデオお練りで忙しそうです。
午後3時頃、大街道に到着です。乗り子の洸哉くんも太鼓台から降りて、一休み。
その後神事や各奉納があり、大街道の中央では鏡割りが行われようかとしていましたが…
ん?何やら…いつもと違う様子…。
なんと!鏡割りが行われず、青年団長さんが四ツ太鼓に戻り…。
大街道に集まっている見物客は「どうしたん?」「何かあったん?」と皆不思議そう。
(はっきりした理由は分かりませんが)どうやら牛鬼が今年は鉢合わせをしないと言ったらしく、それに納得いかない四ツ太鼓。
さあ牛鬼がどう出るか?
様子を伺いつつ、鉢合わせを煽っています。
しかし牛鬼は、大街道中央で大牛と小牛での鉢合わせを始めました。
牛鬼の鉢合わせは盛り上がりましたが、納得のいかない様子の四ツ太鼓は伊予銀行の近まで進み出て、さらに牛鬼を煽ります!
そして牛鬼に背を向けて2台が向かい合わせになると、四ツ太鼓どうしの鉢合わせが始まりました。
その後も四ツ太鼓は鉢合わせを要求するかのように牛鬼の様子を伺っていましたが、結局鉢合わせは行われず、牛鬼は御仮屋に頭を突っ込みました。
四ツ太鼓も青年団長さんと副団長さんを乗せ、御仮屋へ。
鉢合わせできなかったもどかしい気持ちをぶつけるかのように、何度も何度も太鼓台を持ちあげました。
周りからは大きな声援と拍手が起こり、今年の秋祭りが終わりました。
大街道での四ツ太鼓と牛鬼の鉢合わせはなかったものの、今年も三瓶の人たちがひとつになった、いい秋祭りでした。
子供の時に乗せてもらい、大人になったら青年団でお世話をし、担ぎ、子供ができたらまた乗せて、今度は孫を乗せて…という「浜の血」が脈々と受け継がれる四ツ太鼓。
敵対(?)の構図にはなっているものの、今年鉢合わせをしなかった事や中祝いに見てとれる「四ツ太鼓あっての牛鬼、牛鬼あっての四ツ太鼓」というお互いを想う関係が心に染みました。
今年は取材で忙しかったのですが、来年は今年見た様々な事、団長さんのお話、青年団や浜の皆さんから教わった事を思い返しながらゆっくり四ツ太鼓を眺めたいと思います。
翌日青年団長さんに少しだけお会いすることができ、鉢合わせがなくて残念でしたと言うと
「牛鬼がやらないというのなら、それはそれでしゃぁないです。」
とだけ、一言。
決して残念だったという感じではなく『鉢合わせしないというのが今年の祭りだったんだ』という、みんなが全てを受け入れてやり切った…そんな落ち着いた声で答えて下さいました。
…団長さん…疲れていただけでしょうか…。
いや!立派にやりきった男の言葉に違いありません!
最後に青年団長・三好さんはじめ、青年団の皆さん、乗り子の皆さん、浜の皆さん…快く取材を受けて下さった皆様、本当にありがとうございました。